5月23日信濃毎日新聞朝刊(25ページ)に、「塩害の水田、復興見えず」という記事があった。宮城県内だけで約1万haの水田が津波を受けたという。
宮城県は、栗原市や登米市などにかかる大崎平野と呼ばれる米どころが内陸にある。また、仙台市南部から名取市、亘理市、福島県境の山元町に至るまで、沿岸部は雄大な水田が広がっている。仙台から気仙沼に向かう途中、東北自動車道から見た大崎平野は田植えが始まっていた。
しかし、仙台市以南の沿岸部の水田は田植えができず、がれきが一面に広がっている。
さらに水田をよくみると津波で砂やヘドロが大量に積もっていたり、大規模な地盤沈下がみられるなど様々な被害が出ている。
がれきが広がっている水田には、行方不明者の捜索をした痕はみられた。しかしがれきの除去や塩害対策は後回しという感じだった。とてもじゃないが手が回らないという人もいた。また、「山元町の沿岸部がどうして手づかずなのか」とある記者にきいたら、「大きな余震が来たときに近くに高台などがないため、立ち入りが制限されているのではないか」という話をしてくれた。
この秋に米が不足するのではないかというような話をする気にはまだなれない。しかし、仙台以南の沿岸部は、みたことのある人は分かると思うが大規模営農をしている農家が多い。そうした人たちが生活の糧を失い、被害もそのままになっていることを改めて訴えたい。