行動なくして
実現なし
001.想い

災害に国会はどう向き合うのか

9月2日に発生した竜巻で被害をうけた、埼玉県越谷市、松伏町、そして千葉県野田市を見にいってきた。 20130905-175916.jpg

 

 

さて、下の写真の被災した住宅は全壊か、それとも半壊なのか。見た目から全壊だといいたいところだが、実際の全壊認定は、私たちや被災した人のイメージと大きく異なるという。

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国の災害補償は、被害を認定するところから始まる。「被災者生活再建支援法」では、住宅が全壊した場合、最大で300万円の支援を受けることができる。しかし、その枠組みは市町村単位で、市町村ごとに10戸以上の全壊住宅がないと法律適用にならない。竜巻は、市町村の境など関係なく猛威を振るう。今回の竜巻被害でいうと、全壊住宅が10戸を超えた越谷市の被災者は、再建支援法の対象になるが、10戸を超えなかった松伏町と野田市の被災者は対象にならないという。被災者からすれば、隣の自治体と補償に差がでるのは納得できないから、当然、「市町村の境に関係なく、竜巻が起こした被害の大きさ全体をみて、法律を適用してほしい」という声が上がった。

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今回私は、みんなの党として視察にいったが、その前の日に、内閣府の人たちが視察にきたという。しかし、取り巻きの人が多く、地元住民と満足に会話もないまま、写真だけたくさん取って帰っていったと、地元の人は憤っていた。かつて東日本大震災で、当時の菅直人総理大臣が避難所に行き、被災者から「もう帰るのか」と叱責された話は有名だが、政治家の視察は、被害の状況を見極めて、被災者とじっくり向き合う必要がある。

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竜巻は、避難する間もないぐらい、急に発生する。越谷市の北陽中学校の体育館では当時、部活動をしている20数人の中学生がいたが、竜巻の前に激しい雷が続いていたため、体育館の真ん中に集まって雷が過ぎるのを身を潜めて待っていたという。

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竜巻から身を守るには、トイレなど、風があたらないところや、体育館でいえばステージの幕のところなどに身を潜めるのがいいようだが、そんな時間はなかったようだ。大きなケガがなかったことは不幸中の幸いだ。

 

 

 

竜巻は、回りのがれきを巻き上げるので、田んぼの稲を倒すだけではなく、田んぼにがれきを散乱させていくという。稲刈りを前に、そのがれきを取り除かなければ、稲刈り機をいれることもできず、早急な課題だ。
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竜巻被害は、発生した日は、凄まじい映像もあって大騒ぎになるが、政治は、そのあとの対策をしっかり取らないといけない。竜巻の被害に応じた補償の法整備は、なされていない。対策のノウハウの蓄積も、地震に比べたらないに等しい。災害は、その時その時の被害状況をみて柔軟に対応する必要がある。栃木でも被害が出ているという。災害と向き合うためには、やはり国会を開いて法改正や、柔軟な運用を決めなければいけないが、いま国会を開こうという動きはない。オリンピックの招致決定が目前で、原発汚染水対策の審議を国会でやることを先送りにしていると報道されたのは記憶に新しいが、竜巻被害対策も、国会を開くべき緊急の課題だ。

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