こんばんは。
きのうの産経朝刊11面に、「29年度までに消費税17% 経済同友会が提言」という記事が出ていた。経済同友会は、経団連、商工会議所と並ぶ、「経済3団体」の1つで、企業経営者でつくる公益社団法人だ。記事によると提言の概要は
・消費税を平成29年度までに段階的に17%に引き上げる。
・30年度に都道府県を廃止して全国を11~12の道州と東京特別州にわける「地域主権型道州制」を導入する。
ほかにも国会改革などを提言しているようだ。小さな記事だったので、同友会のホームページに発表されていた32ページにわたる提言を読んでみた。提言は、「2020年の日本創生」というタイトルで10年後を見据えた様々な改革を求めている。「特に少子高齢化と人口減少、グローバル化の進展と新興国の台頭などは戦後日本を支えてきた諸制度を揺るがす環境変化であり、迅速な対応が迫られている」と課題を明示し、提言の基本理念に「若者がやる気と希望を持てる国」、「国際社会に貢献し、信頼される国」を挙げている。
私が記事で目をとめた消費税については、「25年度に10%→27年度に15%→29年度に17%」にするよう求めている。今年の4月から平成23年度に入るので、あと6年で消費税を12%も上げることになる。経済3団体の提言は、自民党政権時代は政治に大きな影響力を持っていた。政権交代後、経済3団体が民主党政権とどのような距離をとるのか注目された時期もあったが、この提言が民主党政権にどのような影響を与えるのか今は分からない。
私もみんなの党も、消費税増税が将来的には避けられないという覚悟はあり、無責任な態度で増税に反対するつもりはない。しかし、参院選の時から言い続けているが、増税の前に、国家公務員の人件費削減、各省庁の関連団体がもつ資産の削減やストックされているだけの埋蔵金廃止など、国という「会社」をスリムにしないことには増税の数字を議論するべきではないと思う。今の消費税議論は、参院選から半年たっても「増税こそが賢者の考え」という論調で止まったままだ。このままでは政府運営の無駄遣いの見直しが全くされないまま、ある日突然10%とか15%という数字が出てきそうで心配だ。今の消費税議論の問題は野党第1党の自民党と民主党に差が見えないことにある。仮に与野党が、ともに増税方針で議論するというなら、1パーセントでも低い数字を出し合って競うのが健全な議論だと思う。
最後に経済同友会へ要望したい。提言を読んだ中でまさに同友会に取り組んでほしいと思ったことは、
・人材採用の多様化、さらなる開放。
・女性の積極活用に「男社会」の意識改革。
の2つだ。「若者がやる気と希望を持てる国」を作るためには、就職戦線の流動化は欠かせない。また、「少子高齢化と人口減少」を食い止めるには、以前も書いたが育児をする女性を社会全体でサポートすることが絶対必要だ。この2つは政治に期待するまでもなく加盟企業が競い合って変革を起こすべきだ。