行動なくして
実現なし
001.想い

女性が活躍できる社会

今夜、NHK「クローズアップ現代」で、日本経済にとって女性が働き手としても消費者としてももやは欠かすことのできない存在であるという特集をしていた。ウーマン(女性)とエコノミクス(経済)を掛け合わせて「ウーマノミクス」という言葉もあることを知った。番組の中で

・男女格差の指数(2010年 世界経済フォーラム)が、日本は134か国中94位で、女性が活躍しやすい社会とは言えない。

・20代の収入が初めて女性が男性を超えた。

・20代後半から30代の女性が、アメリカなどと比べて働く人、働こうとする人が少ないことを取り上げていた。 

厳しい環境が続く酒造業界で昨年大きく業績を伸ばしたノンアルコールビールは、女性の開発担当者が主婦をターゲットに賞品開発を進めた。車も、昔のように男性だけではなく女性をターゲットにした開発が進んでいる。さらに、女性が育児をしながら会社に勤められるよう、男性を含めて長時間労働の見直しに取り組む会社も紹介されていた。

私は、働く女性に対して社会全体が考えないといけない大きな課題は、「女性が育児の後も働けるようどう支えるか」だと思っている。

私がいたNHKでは、女性の就職は当たり前。結婚しても妊娠・出産するまでは夫婦で働くケースが非常に多かった。特に就職直後からの数年間を男女で比べると「平均すれば」女性の方がはるかに優秀ではないかという感想は今も持っている。問題は妊娠・出産後だ。NHKという大きくて恵まれた環境にある組織でも、例えば記者職は、女性が育児をしながら第一線で仕事を続けることが非常に難しい。不規則な長時間労働をできないことが端的な理由だ。ただ、そんな中でも頑張っている女性もいた。横浜時代にいた先輩は、子どもの迎えや学校行事と仕事を見事に両立させていた。その先輩は、泊り勤務などができないことを我々独身男性陣に申し訳なく思うと時折吐露していたが、そう言われたら我々は何も言わずに頑張るものだ。むしろ、女性を支える職場環境を整えられない会社に謝ってほしかった。中小企業や経営に余裕がない会社は、育児をする女性を支えることなど考えられないかもしれない。しかし番組の出演者が言っていた。「やってみることだ。やってみるとメリットが多いことに気づく。ダメだったら辞めればよいだけでむしろ、よい職場環境を守ろうと社員が一体となって頑張る」といっていた。会社側に求められるのは、状況が整うのを待つことではない。チャレンジ精神だ。

では政治、行政はなにをしたらよいか。保育所の拡充はもちろんだが、子どもが幼少時に親との関わりが少なくなることには一抹の不安がある。女性だけでなく、もっと男性が育児をサポートできるようにすることが大切だ。どこの会社も、男性が育児休暇を取得することや、女性を職場復帰させて管理職に登用することなどは、総論賛成・各論反対で進まない。民間ができないなら政治がそういう社会を作るしかない。

女性の育児を支える意識改革が進まないのは、これまで「仕事一筋に生きてきた男性上司の無理解が特に大きい」と番組で言っていた。男性にとって仕事一筋も選択肢の一つだ。しかし、料理や掃除洗濯、育児を手伝う時期があることのほうが、老後、自らを振り返った時に、人生も仕事も充実したと思えるはずだ。