「選挙を考える」、きょうは選挙カーについて書きます。
選挙カーのメリットとデメリットを考えてみましょう。
メリットは、
・車に載せた看板と車体のラッピングで、視覚のアピールができる。
・高性能のスピーカーを搭載できるので聴覚的にもアピールできる。
・移動しながらの宣伝と、停車させても街頭演説の補助として
候補者本人に次ぐ広告塔になる。
逆にデメリットは、
・うるさい。
・交通の妨げになる。
・走行中は政策を訴える時間がない。
・車のリース、加工代、ガソリン代・運転手などお金がかかる。
前に、スタッフから選挙カー禁止論があったと書きましたが
その理由は、政策を訴えることができないにもかかわらずうるさいことと、経費でした。
経費について書きますと、
私の選挙では、自分の選挙カー(候補者の名前と写真が入っているもの)と、
党の宣伝カー(党名と代表の写真のあるもの)の2台を用意しました。
1台あたり1日1万円のリース代がかかりました。
それに看板と車体のラッピング台も数10万円の世界です。
今回の選挙でかかった経費のうち、選挙カーにかかったお金は予想以上に大きかったです。
禁止論を訴えるスタッフはみんな、
公開討論会の場が数多く担保される選挙制度にすべきという考えです。
私は、選挙カーは残念ながら必要だと思います。
とくに移動距離が長い選挙区にはかかせないし、
選挙カーがあると視覚的にも聴覚的にも候補者を目立たせることができるので
現状ではやむをえないと思います。
また車社会が進行している地域では、
車へのアピールということで、車から車への呼びかけもかかせない。
重要なのは選挙カーの使い方です。
今回の選挙では私の選挙カーについて、
「スピードが速すぎる」、「声がしたと思ったらもういなかった」という声をたくさんいただきました。
また、スーパーのそばで街頭演説をしたときに駐車場所が悪くご迷惑をかけたこともありました。
一方で選挙中や選挙の後に
「参院選で候補者が来てくれたのは初めてだ。ほかの候補者は車もきやしない」とか
「自分の地域はどの候補者も選挙カーがこなかった」という声をたくさんいただきました。
こういう声を聞くと、
何といっても候補者が地域を回ることが一番大切ですが
選挙カーが選挙区を回ることを期待している人もいることが伺えます。
理想的な使い方としては、
①交通の流れに配慮しながら、できるだけゆっくり走行する。
②住宅地や商店街など、人がいる施設が密集しているところでは
移動中のスピーカーのボリュームに注意し、できるだけ街頭演説を増やす。
これを実行するには駐車スペースもあるため、事前の下見など計画性が大切です。
③バイパスなどの大通りでは視覚的な訴えに焦点を絞る。
おおざっぱに言うとこの3つです。
今回は満点ではありませんでしたが、この3点に注意することができたと思います。
それができたのは私自身の力ではなく、
選挙経験のあるスタッフやウグイスの女性がいてくれたことに尽きます。
とくにウグイスの方の視野の広さには驚かされました。
単に有権者に訴えるだけでなく、交通状況を見極めたりスピーカーの音量の細かい調節など
ものすごい気配りをしてくれました。
参院選の後、知事選をみてびっくりしたんですが
私は長野駅前のバスターミナルに選挙カーを乗り入れて演説するようなことはしませんでした。
「控えめすぎる」といわれることもありましたが交通への配慮を考えると間違っていなかったと思います。
選挙カーについては持論よりも、大きな疑問が今もあります。
それは有権者が受ける印象、感想です。
選挙期間の最初のうちは、選挙カーに手を振ってくれる人は少ないです。
投票日が近くなると選挙への関心が高まることもあり、手を振ってくれる人がどんどん増えました。
しかし私も、とくに子どもの頃は選挙カーによく手を振っていました(笑)
だから正直いって、「票につながるのか」という疑問は解消していません。
信濃毎日新聞さんや全国紙のメディアの方には、
選挙カーについての世論調査を、いつかしていただきたいと切に期待しています。
質問項目は
・選挙カーは必要か不要か。
・選挙カーをみて手を振ることはあるか。手を振るのは支持する候補者の車だけか。
・「選挙カーを見たから」いう理由だけでその候補者に投票する、投票したことはあるか。
以上3点です。報道各社の皆様よろしくお願いします。
報道の方にお願いできるかどうかはともかく、
私は有権者の方に機会があれば質問したいですし、
ブログを読んでいただいた方にもご意見をいただきますようお願いいたします。
「選挙を考える」の連載も8回になりました。10回で完結するつもりです。
今後のテーマの候補には、「都会と田舎の選挙」、「私の目指すべき選挙」の2つを考えているのですが、
今日少し書いたウグイスの女性の世界もかなり奥深いものがあり、
追加取材をして書きたい気もします。ちょっと時間をかけて考えます。