私が必要と思う選挙の組織とはどういうものか。これまでの組織にも触れながら考えてみましょう。
私の祖父と伯父の選挙を支えた人に話を聞くと、
伯父のころには、東信地区を中心とした衆院長野旧2区のなかに
100をゆうに超える連絡所があったそうです。
そして後援会に入っていた人の数は、私の10倍。
衆議院が解散されると、各連絡所に選挙の準備に入る連絡が回り、
各連絡所から地域の人に連絡が行く。
そしてポスターを張る割り振りを決めたり、
街頭演説があればその地域ごとに人がきちんと集まる。
というような選挙戦をしていたようです。
当然、選挙期間中は電話作戦もしたようです。
それは私がNHK時代にみてきた自民党の選挙と重なります。
自民党系の県会議員が、そして市町村の議員がそれぞれの地域の責任をもつ。
地域とは、区長をはじめとした密着した関係を築いています。
経済界も単に業界団体だけではありません。町の商工会など、業界を横断的にまとめる団体も組織に入ります。
こうした強固な地盤が長期政権の支えとなったことはいうまでもありません。
また、戦後の日本の支えとなったことは高く評価されるべきでしょう。
自民党と別に、公明党はもっと純度の高い組織を作っています。
公明党の組織は宗教的な背景があると批判されることが多いですが
福祉の政党を掲げて活動し、多くの支持者が純粋に活動をしている点は良いことだと、長い間取材をして感じました。
今回、私に投票をしてくれた18万3949人の方は、私の察するところをおおざっぱに言うと
①祖父、伯父の代から応援していくれている人
②みんなの党の支持者
③若い世代に政治を担って欲しいと思っている人
だったと思います。
私について「組織が機能した」と評されるのは、①の祖父、伯父の代から応援してくれた方がいたことです。
県内を回っていると
「祖父に世話になった」、「祖父のころから何十年も応援している」という言葉を何度もかけていただきました。
投票をしてくれた人、投票を周りに呼び掛けてくれた人、そして選対を手伝ってくれた人など様々な形で応援をしていただきました。
今回のポイントは、そうした人たちが自主的に行動してくれたことに尽きます。
祖父、伯父の後援会も全くない状態で、動員されることなく自ら行動してくれたのです。
地元・東信では、地元の声を国政に届ける人が必要だという気持ちを私に託して下さった方もたくさんいます。
東京から突然やってきた私にこうした気持ちを託していただけたことは本当にありがたかったし、ご期待に添えるよう頑張りたいと身の引き締まる思いです。
つまり今回は組織があったのではなく、
自然発生的に盛り上がった機運が、組織の機能に代わる大きなうねりを起こしたと考えられます。
もちろん、本当に組織化ができればもっとやれることがあったかもしれません。
選挙を考える~組織・上~で「組織ができなかった」と表現したのはこういうことです。
今回は敗れましたが、こうしたうねりがおこったことは、私の大きな財産となりました。
これだけの大きな力をいただきながら勝てなかったことは、
私自身の資質の問題で大変申し訳なく思っています。
いつかまた挑戦する時がきたら、今回いただいた皆様のお力を、必勝に至る太いベクトルにしていきたいと考えています。
次の、「選挙を考える~組織・下~」では、私が作ってみたい選挙の組織について考えます。