おはようございます。久しぶりの「選挙を考える」、今回はポスターです。
参院選で掲示できるポスターの枚数は1万300枚でした。
ポスターを掲示するかしないかは本来、自由です。
しかし「ポスターは全てはって当たり前」というのが社会の常識になっています。
ポスターをはらないと、「候補者のやる気がない」とか、「いい加減な候補者だ」と思われるので、
意図的にポスターをはらないという選択はまずできません。
ポスターは、作成費は公費(税金)でまかなわれます。
ポスターにかかった今回の公費・印刷代は80万円弱でした。
ポスターで一番悩んだことは、ポスターの「はり方」です。
ポスターのはり方には、お金と組織という選挙への大きなハードルがあるのです。
すべてのポスターをボランティアの方にはってもらえることが理想です。
しかしかなりの人数を確保する必要があるうえ、
掲示板を探して1枚1枚ポスターをはる作業は、時間のかかる負担の大きい作業です。
善意の人が集まらなければどうするか。業者に頼むしかありません。
ポスターはりを業者に委託できることは、立候補を決断するまで知りませんでした。
問題は値段です。業者にはってもらうと1枚500円近くします。
仮に10300枚をすべて業者に頼むと約500万円!お金のない人が選挙に挑むには大きな障害です。
私は、できるだけポスターをはってもらえるボランティアを集める努力を、支援者にお願いしました。
事務所に支援者が集まって話し合いを繰り返し、知り合いに電話などでお願いすること数日間、
最終的には約半分のポスターをボランティアにはってもらうことができました。
立候補を決めた時は業者に頼むしかないと半ばあきらめていただけに、本当にありがたかったです。
自分のポスターを見るたびに感謝の気持ちでいっぱいでした。
特に公示日は遊説カーに乗っているうちに涙が出そうになりました。
ポスターをボランティアにはってもらうと、ポスターはりを通じて応援してくれる人の輪が広がります。
繰り返しになりますが、ボランティアにお願いできることが理想です。
問題はまだあります。
ポスターの掲示板は地域の隅々までたくさんあります。
1人1枚というお願いの仕方では、どこの掲示板にはってもらって、どこが空白かを把握することが難しい。
地域ごとにしっかりした組織があればお任せでいいのですが、
組織がないと地域ごとにある程度の枚数を1人1人にお願いせざるをえません。
組織のない新人にはかなり高いハードルです。
みんなの党のほかの候補者に聞くと、
立候補の決断が遅かったなどの理由で業者に頼んだ人。
ボランティアが少なくてポスターをはるのに何日もかかったという人がいました。
中には公示後にポスターを張っている様子をメディアに好意的に取り上げてもらった人もいました。
私もポスターを張り損ねた掲示板がいくつかありました。
そのほとんどは掲示板の近所の方が教えてくれたり遊説カーが見つけて、急いではりました。
しかし、時には見つけてくれた人から
「ポスターがないから欠員が出たのかと思った」、「ポスターがなければ話にならない」、
「有権者をばかにしている」というきつい言葉をいただいたこともあります。
きょうポスターの話をしたのは、当たり前にはられているポスターが実は大変な作業だということ。
そして、
お金や組織のない人が選挙に出ることを難しくする側面が
現在の選挙ポスターにあることをわかっていただきたかったからです。
私は前にも話しましたが、掲示板を目立つ所に限定し、
ポスターの枚数をどの選挙でもおおむね半分に減らしてほしいです。
最低必要なのは投票所の近く。あとは駅、バス停、地域の主な買い物施設などです。
ポスターを減らすべきだと思うのは負担の問題だけではありません。
ポスターはみてもらえば分かりますが、見た目や印象を訴えるものです。
特に政策を訴えることについては、弱いと思います。
私のポスターについて話しますと、
写真はホームページを作ってくれた友人の知り合いが撮影してくれました。
「ソフトな印象のものがいい」、「笑顔でも歯が出るのはまずいか?」とか考えましたが
「若いからオーソドックスでいこう」みたいな結論になりました。
公示まで短かったこともあり、時間をかけて考える暇はありませんでした。
それでも掲示板をみた限りでは、ほかの候補者の方と大きな差はなかったと思います。
選挙をほとんど毎日手伝ってくれた方の1人が、先日こんなことをいっていました。
「ポスターは禁止にするべきだ。
どうしてもはれというなら選挙管理委員会が掲示板を設置する時に、
各候補のポスターもはった状態で掲示板を立ててほしい。
そうでないとお金や組織のない人が立候補できない」。
次回は、これもスタッフから禁止論が出た「選挙カー」について書きます。
最後にポスターをはってくださった方に心より感謝申し上げます。