きのう(13日)の毎日新聞で、復興庁幹部がTwitterで暴言
記事を見る限り、「子ども・被災者生活支援法」や法案成立を求める人々への暴言、また、福島県内のある町議会に対する暴言は許されるものではない。ただ、ある党本部に缶ビールを補充(大半は自身が飲むとも言及しているようだが)したことなど、「そんなことまでするのか」と驚くこともある。また、政治家への陰口のような類いの話が多かったようだが、「たしかに」と妙に納得してしまうものもあった。
どういうことかというと、政治家と官僚の関係について、たまに「こんなんで大丈夫か」と思うことに遭遇する。官僚のみなさんは私のような1年生議員にも「先生、先生」と言ってくださって、多くの官僚は実直だ。けれどたまに、会議中にみせる表情だったり、電話の向こうから聞こえてくる官僚同士の会話だったりするのだが、「ああ、政治家って全く尊敬されていないな」と思うこともある。
ある会議で、議員同士が法律を作る議論をしていた。省庁の役人も横で聞いていて、たまにアドバイスをしてくれる。しかし、1人の議員の発言が、役所としてはあり得ない話だったのか、「それはないよな」といったような失笑が役人たちの席からもれてきた。それをみた発言中の議員が激怒する。議員の激怒は相当なもので、言葉も相当荒かった。しかし、そもそも怒らせるような失笑をしたのは官僚たちの方だった。真剣な議論を笑ったのだから。でも、謝るわけでもなく、ひたすら目をあわせずにいるだけだった。こんなことで、「さあ、法律ができました。運用の基準を作りましょう」という時に、官僚が政治家の議論を反映させるのだろうかと不安になった。重ねて断っておくがこんなことはいつもある訳ではない。多くの官僚は真摯にやってくださっている。
逆に政治家の側も、私がみていて「この議員、なんでこんなに横柄なんだろう。役人が気の毒だ」と思うことがある。こっちは「たまに」というよりも「よくある」といった方がよいかもしれない。議員が役人に分からないことを聞くのに、議員会館まで呼びつけるのが当たり前、電話も、議員本人がするのではなく秘書がするのが当たり前というのが、常識らしい。私も質問を作る時に分からないことがあるので役所に電話をするが、ニュアンスをしっかり伝えるために、直接電話するようにしている。そうすると「わざわざお電話いただいて」と恐縮、感謝されることが多い。
政治家は官僚に言うべきことは言わなければいけない。役所のやっていることや考え方と対立することも多い。私など野党だからなおさらだ。しかし、政治家と役人の信頼関係ができなければ、信頼関係をお互い損ねてしまったら、法律を作っても、また、国会でどんなにいい質問をしても、きちんと実行に移せるかどうかというところが大きく揺らいでしまう。Twitterの暴言は極端すぎるケースだが、政治家と役人の関係がよくないということの現れと見ることができる。
会社やスポーツチームでもそうだが、人間関係が、例えば上司と部下だったり、先輩後輩だったりといろいろだが、当然、性に合わないことや相容れないこともある。でもそうしたことを飲み込んで1つの目的に向かっていくのが、成熟した組織だと思う。今回のTwitter問題で感じたのは、政治家も官僚も、協力しなければいけない部分があるにも関わらず、人間関係という面でお互い未熟だということだ。しょっちゅうこんなことがわるわけではない。政治家にも官僚にもすばらしい人が多いことは改めていっておく。悪いお手本に出くわした時は、反面教師として、活動していきたい。
(毎日新聞6月13日朝刊より引用)
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