今年は、検察・警察の「捜査当局」にとって大変厳しい年になった。
きょう警視庁が、外事3課のものとみられる文書が流出したことを
ようやく認めたと報道された。
私たちの生活に直結する話ではないが
国の治安を守る捜査機関にとっては致命傷だ。
捜査機関の手の内を明かすことになるだけでなく
捜査に協力してきた人の信頼を失った。
尖閣映像流出問題では、国交大臣の問責が参院で可決されたが
警視庁の情報流出は尖閣映像以上に深刻な問題だ。
流出の経緯の捜査はこれからだろうが、
責任の所在を明確にする必要がある。
検察についてはこれまで何度も述べてきた。
村木さんの無罪判決、そして証拠改ざん事件で
検察は、これまでかたくなに拒否してきた
取り調べの可視化を自ら受け入れざるを得ないまでに
信頼を失っている。
捜査機関は、普通に生きていれば関わることのない機関だ。
しかし、国の正義の根幹となる刑法・刑事訴訟法を扱う
捜査機関がこれだけ信頼を問われたということは、
私たちが安心して暮らすことのできる日本、
つまり、普通に暮らしていても正義が守られるという
安心感が揺らぎかねない一年だったと思う。
捜査機関の再生、来年の動きを注視していきたい。