行動なくして
実現なし
006.選挙を考える

選挙を考える10~選挙カーとウグイス~

こんばんは。

愛知県知事選挙の手伝いにいって、

久しぶりに「選挙を考える」を書く気になった。

以前書いた「選挙カー」の話をもう少し考えたい。

 

長野市から県議議員に立候補する

原田貴司さん(みんなの党)は、

「選挙カーを使わない」と宣言した。

 

名前の連呼よりも、こまめに街頭演説を行って

有権者に真摯に訴えたいという考えだ。

長野市は市町村合併で地域が広がったので、

県議選のエリアも大きくなった。車は欠かせないというのが

ごく普通の考えだ。選挙カーを使わないということは、

車で移動している間、街宣をしないことになる。

私は参院選の時に多くの有権者から、

「この地域は住民が少ないから

選挙カーすら来ない」と言われた。

だから、原田さんと慎重に話しあった。

でも話しているうちに、長野市の県議会議員選挙は定数10人。

10数人の立候補者が全員選挙カーを使えば

おそらく区別がつかない。

「賭けではあるが面白い。やってみよう」ということになった。

車での移動の間、街宣ができないことは、

候補者にとって歯ぎしりをする思いだ。

1分1秒も無駄にしたくないというのが

候補者の気持ちだ。

車の代わりにどれだけ街頭演説を充実させることができるか。

自転車や歩行遊説をどれだけ効果的にできるか。

創意工夫が問われる。

でも面白い。すでに原田さんのもとには

選挙カーを使わないことを評価する

県民の声が多数寄せられている。

この戦い方に賭けてみようと思う。

 

さて、愛知県知事選挙の手伝いは

2日の深夜に佐久を出て朝3時半ごろ名古屋に入った。

車で仮眠をして朝8時から

候補者が同乗しない「党宣伝カー」に乗って

窓から手を振って大声を出したり、

駅前などで何度も街頭演説をした。

 

他人の選挙を手伝うと思わぬものが見える。

手伝いをして一番感じたことは

自分の選挙を支えてくれたスタッフに対する感謝だ。

改めて痛感した。

 

ここからは選挙カーに欠かせない「ウグイス」の話である。

ウグイスとは改めて説明するまでもないが、

選挙カーから候補者の支援を訴える女性のことをいう。

ちなみに男性がやると、「カラス」という。

私が愛知で乗った宣伝カーのウグイス女性は

なんと神奈川からきていた。

本人いわくベテランらしい。たしかにそのようだった。

宣伝カーに乗った日は節分だった。

そうするとウグイスの方は、

「きょうは節分です。愛知に福を呼び込みましょう」と呼びかける。

その日は快晴だった。

そうすると、

「愛知にきょうの太陽のような輝きを呼び込みましょう」となる。

ガソリンスタンドの前を通れば

「車にはガソリン、愛知には@@@@(候補者名)」となる。

これにはさすがに首をかしげたが、

ガソリンスタンドの店員さんが笑っているから効果ありということか。

 

私の選挙の時に、いつも心和んだフレーズは

「畑のご主人、お願いします!」だった。

選挙区の土地柄か、「畑のご主人…」は何度も飛び交い、

そのたびに私は用水路を越え農道を越えて、

「畑のご主人」と握手を繰り返した。

 

ウグイスの世界は奥深い。

一般の人からは想像もつかないが、

同じ選挙で違う候補をはしごする「渡り鳥」もいるようだ。

解散のない参院選と地方選挙は

3年ないし4年に一度必ず訪れるウグイスにとっても戦場。

ついつい候補者以上に熱弁をふるう方もいるらしい。

愛知でご一緒させていただいたウグイスの女性は、

ウグイスというより語り手、プロだった。

 

私の選挙で忘れられないエピソードを紹介しよう。

私とウグイスの方で必死に声をかけた「畑のご主人」が

よく見たら、実は「ご主人」ではなく「かかし」だった(笑)

ちなみに、私が考える「こんなウグイスは困る」というのは、

「候補者よりも政策通のウグイス」だ(苦笑)

 

公職選挙法で選挙運動が著しく制限される中で、

精いっぱい頑張ってくれる

ウグイス女性陣に感謝に気持ちは絶えない。

選挙カーを使わない原田候補は

ウグイスがいない選挙になる。

さてどうやって独自色をだすか、頭のひねりどころだ。

 

最後に愛知県知事選挙は名古屋市長選挙とともに、

大村・河村コンビに当確が出たようだ。

開票の全容はまだ確定しないが、

堂々と選挙を戦ったみんなの党の仲間

薬師寺みちよさんに敬意を表したい。