自民党の役員人事がきのう発表され、
今朝の各新聞は一斉に「派閥色が強まった」と報じている。
朝日新聞朝刊によると、
新しく総務会長になった塩谷立氏は最大派閥・町村派の中堅。
茂木敏充政調会長は額賀派。
岸田文雄国対委員長は古賀派で
「派閥のプリンス」と呼ばれているらしい。
さらに自民党にとって最も大切な
参議院の人事はまとまらなかったという。
自民党役員人事のニュースはここ数日、
毎日のように報道されてきた。
しかし、大変申し訳ないが関心の持てる内容ではなかった。
今朝の紙面はそこそこ大きな記事だったが、
ここ数日の記事は小さかった。
メディアが記事の扱いを決めるときは、
「その日のニュースで何が読者の関心事か」を冷徹に判断する。
記事が小さいということは
国民の関心が自民党に向いていないということだ。
なんといっても派閥という言葉が躍るのがよくない。
谷垣総裁にとっては不本意だろうが、
メディアに「派閥」という視点で
切り取られることは極めてマイナスだ。
自民党が長期政権にあったとき、
派閥は党内議論を活発化させたメリットもあったが、
デメリットの方が大きく常に批判されてきた。
「派閥=悪」のイメージが決定的になったのは、
小泉政権のときだ。
小泉元総理は組閣の際に
派閥の理論を入れなかったことで知られている。
高い支持率を保った小泉政権によって
自民党を支持する人もそうでない人も
派閥を嫌うようになった。
その後、自民党内に派閥は残ったが
今、町村派が最大派閥だということを
知っている人はほとんどいないのではないか。
政治の世界、いつでもどこでも権力闘争はついてまわる。
先の民主党代表選挙もそうだった。
われわれみんなの党も、国会内で力が足りずに苦労している。
今回の役員人事は、
自民党内で派閥の力が依然として強いことを示す結果となった。
派閥に所属しない人たちに力が足りないのか、
それとも派閥をまとめている人たちが魅力的なのかは
今後の自民党を見ていれば見えてくるだろう。
仮に内輪もめばかりが目立って
野党の役割を果たせないようであれば
国民の自民党離れはさらに進み
記事はますます小さくなるだろう。
きょうまでのチラシ6136枚。