今日の毎日新聞、コロナについて「低所得ほど打撃大きく」との記事があったので、以下引用する。
→慶応大の大久保敏弘教授(国際経済学)とシンクタンクのNIRA総合研究開発機構がインターネットで約1万2000人を対象に行った共同調査では、年収100万円未満の層では、20年3月から6月にかけて所得が「大きく減少した」「減少した」と回答した人の割合が37%に達した。ただ、所得が上がるにつれてその割合は下がり、年収1000万円以上の層では21%にとどまった。大久保教授は「所得が低いほど対面のサービス業や肉体労働が多い。高所得層ほどITなどコロナの影響が少ない業界で働く人が多いほか、テレワークができる事務系の職種に就いており打撃が少ない」と分析する。実際、1度目の緊急事態宣言が明けた20年6月時点で、年収200万円未満の層のテレワーク利用率は1割程度だったが、年収700万円以上の層では3~4割に達し、年収が多いほどテレワーク利用率が高かった。
スイスの金融大手UBSの調査によると、世界で2189人いる10億ドル(約1039億円)を超える資産を持つ超富裕層「ビリオネア」の総資産は、コロナ禍の4~7月の間に27・5%増え、10兆2000億ドルと過去最高を更新した。
大久保教授は「コロナ禍の直撃を受けて生活に困窮する人々が増える一方、コロナ禍でも株価上昇が続くなど金融市場は活況で、富裕層は投資でさらに資産を増やしている可能性がある」と指摘。「コロナ禍は、もともとあった格差の拡大に拍車をかけている。日本では、苦しい立場に追い込まれても政府などへのデモを通じて訴えずに自らを責める風潮が強く、自殺が増える恐れもある」と懸念する。←(引用終わり)
総務省の労働力調査によると、昨年6月から10月までの間、正規と非正規・パート労働者を比較すると、非正規・パート労働者がコロナによる大きなマイナス影響を受けている。特に女性に大きな皺寄せが入っていることがわかる。
昨年、一人一律10万円が支給されたが、元々は低所得者に対して30万円という案が土壇場で変更されたものだった。今後、こうした給付金を検討する場合は、まず格差を解消する、低所得者に絞った政策が必要になる。