御嶽山の噴火から一夜明け、山のふもとの王滝村、木曽町の災害対策本部を訪ねた。4人が亡くなり、27人が心肺停止、数十人が大けがと報じられている。亡くなられた方のご冥福と、被災された人へ心からお見舞い申し上げるとともに、捜索の進展を願ってやまない。
王滝村の高台にある公園からは、噴煙を上げ続ける御嶽山がはっきりと見えた。
災害対策本部となっている役場や、登山者の家族が待機している公民館は、多くのマスコミや車が目についたが、静かだった。皆捜索を見守るしかない状況だった。
木曽町の町長や県の地方事務所長、王滝村の村長の話を総合すると、火口は山頂の長野県側、「王滝頂上」西側ではないかとのこと。御嶽山はロープウェイや登山道が整備されているから、3000メートル越えの山としては登りやすい。また、信仰の山としても知られている。きのうは、紅葉もきれいで大勢の登山客がいたとのこと。登山者カードを提出していない登山客もいるとみられ、被災した人の安否が全て確認されるまで、まだまだ時間がかかりそうとのこと。
火山灰は風にのって開田高原の方にいき、その先の山梨や野辺山に達しているもようとのこと。開田高原の特産白菜をはじめ、各地で農業被害が出ている。
時折、ヘリの大きな音や救急車のサイレンが鳴り響き、その度に祈るような思いだった。山頂に向かって手を合わせて、被災者の無事と捜索の安全を祈って帰路についた。
帰りの車で、「きょうは捜索を中断した」とニュースでやっていたが、明日以降もなんとか頑張っていただきたい。登山者の安否確認、そして山頂やその周辺が落ち着きを取り戻すには相当の時間がかかりそうだ。政府をあげて捜索、その後の復旧に取り組んでいただきたい。