意欲ある農家、また、少数精鋭集団が事業を拡大していくにもざまざまな規制がある。
例えば、農家が自家製の味噌を売る場合、食品の営業許可をとるには、保健衛生法で決められた専用施設を置くなど、様々な取り決めがある。法律によると味噌を販売するには、工場やら倉庫やらが必要で、その設備投資を考えると気軽に自家製味噌というわけにはいかない。法律は「味噌屋しか味噌を売らない」と思っている。
また、栽培した小麦でパンを作って売ろうとする。クリームパンとあんパンを作りたくても、クリームパンは「菓子製造」、あんパンは「あん製造」と業種が異なるのがいまの法律だ。だから、それぞれの届出と手数料などが必要になる。いま、生産から加工、販売までを手がけることが、農業の6次産業化といわれて注目されている。しかしこうした規制が、農家の創意工夫の前に立ちはだかっている。
萩原さんは「補助金も大事かもしれないけど、自由にやらしてもらえる環境を作ってほしい」と言っていた。農業をとりまく環境は厳しい。簡単に利益はあがらない。そうした中で頑張る農家の意欲と創意工夫を妨げないことも、政治の大事な役割だ。
農業の将来を担う力強い芽が、私の身近にある。
その芽を伸ばし、そして増やしていくお手伝いが少しでもできればと思う。(終わり)