行動なくして
実現なし
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番長は堂々と

民主党の前原氏が、定例記者会見で産經新聞記者の参加を拒んだことがさかんに報じられている。会見する部屋を変えて、出席者に名刺提出を求める徹底ぶりだったという。

公の職務に携わるものは国民に開かれた存在、国民の知る権利にこたえなくてはいけない。しかし、政治家や行政、警察などを取材しているとこういうことはよくある。

有名なのは佐藤栄作元首相が、退陣の記者会見で「ありのままに語りたい」といって新聞記者を締め出し、テレビにだけ会見をしたという話だ。

また、最近は違うようだが、ちょっと前に小沢一郎氏が、「ネットメディアの方が正確に伝えてくれる」といって新聞・テレビの取材から遠ざかったことも記憶に新しい。

役所や警察などでも、不利益を被るような記事を書いた社の取材を拒否することがある。これは「出入り禁止」という言葉で定着している。

公の立場にいる人でも、メディアを嫌い、選別することは前原氏だけのことではない。

ただ、今回の問題は産経新聞に分がある。それは、産経が自ら大々的に報じ続け、萎縮することなく社の立場を鮮明にしたからだ。新聞の見出しや記事は、反響が大きければ大きいほどその価値は高まるが、前原氏のとった行動によって「言うだけ番長」をさらに有名になったことは言うまでもないだろう。

公の立場にある人や組織と、メディアが取材を巡って対立することは当たり前のことだ。しかし、対立を長引かせてはいけない。

前原氏はこんどのことをケロリと忘れたふりをして、何事もなかったように来週から産経の会見参加を認めればいいと思う。与党の大幹部がいつまでも特定の社に会見参加を認めないようだと、立場の重みを分かってないと言われても仕方ないだろう。

番長は堂々としていないと。