「出自」とは
「人の生まれ。事物の出どころなど」のことを言う。
宮城県知事を務めた浅野史郎氏は
「政治家は出自が大事だ」と事あるごとにいっていた。
浅野氏は
「最初の選挙で
誰に応援してもらうかが大事だ」ということを
「出自」という言葉で説いていた。
当選後の発言など、
その人の政治生命に
大きく影響すると言っていた。
私は記者時代
浅野氏と何度か対立した。
私の質問に浅野氏が怒り
会見が打ち切られたこともある。
喧嘩ばかりで申し訳なかったが、
今となっては浅野氏の言葉が身にしみる。
かつての自民党は議員秘書や地方議員など
組織内で「雑巾がけ」といわれる
下積みを果たした人を議員にしてきた。
秘書や地方議員の経験は国会に出た時に有効だが、
国会議員にたどりついたときには
自らの大義をどこかに置き忘れ
組織のイエスマンで終わる人も多い。
一方で国会議員には官僚出身者が多い。
財務省や総務省、経済産業省などの官僚は
若い時に副知事などで出向した地方や、
自身の出身地から出馬することが多い。
@@省出身の政治家リストがあり、
ある省庁出身の政治家から見せられたことがある。
リストを見た時は唖然としたが、
官僚の中には、
貪欲に政治に関わろうという人材がいるし
かつては省庁をあげて
@@省出身の政治家を大切にしてきたのだろう。
官僚や省庁が日本の政治を担ってきた背景には
こうした政治家の出自があると思う。
さて、野田総理の誕生で改めて脚光を浴びている
松下政経塾を出自とする政治家はどうか。
尊敬できる人もいるが、
「政治家になれるなら
なんでもいい人ばかりだ」という批判もある。
松下政経塾という看板よりも
個人の資質をみたほうがよさそうだ。
私自身はどうか。
私はおととし、
一念発起して会社を辞めたことが原点だ。
個人が力を存分に発揮し発言できる自由な社会。
それを支えるセイフティネット。
大きな組織や企業にいなくても、
アイデアや力のある個人が
存分に活動できる社会を作りたいと思った。
今も十分苦しいが、
会社を辞めてから
みんなの党に声をかけてもらうまでの
半年間はいまよりも苦しかった。
田中秀征氏は
「政治家は原体験が大事だ」という。
出自よりもさらに深い、
政治を志すにいたったいきさつが大事だという。
時間のある今だからこそ
井出ようせい個人を研鑽し、
発信することにこだわりたい。
きょうまでのチラシ3660枚。