最近教育についてまた考える機会があった。
数日前にある集まりで年配の女性が
「最近の子どもは歩かない」
「体を動かさないと教育や成長によくない」と
切り出した。
たしかに通学する子どもを
親が車で送り迎えするのをよく見かける。
一緒に聞いていた子どもを抱える親たちは
気まずそうにしている。
このことを別の場で何度か話したら
ある親は
「学校からだめだと言われていても
つい迎えに出てしまう」と
後ろめたそうに言っていた。
子どもに携帯電話を持たせているのかと聞いたら
「携帯は禁止なので、テレフォンカードを持たせて
子どもは職員室の前にある公衆電話から
親に迎えを頼む」という。
私が家庭教師をしている中学生に
「学校までどうやっていくのか」ときいたら
即「親!」と悪びれずに答えた。
きょう、ある小学校の校長先生に話をきいたら
「車の増加で昔より通学路が危なくなっていることもあり
一概にだめとは言えない」と
これまた仕方なさそうに話していた。
たしかに歩道のない道で
スピードの出たトラックの横を
小中学生がふらふら歩いている光景もよく見かける。
校長先生曰く、
「都市化している地域は学校が近いからいいが
郡部の子どもたちの方が学校まで遠い分
送り迎えをしてもらって歩かないのではないか」ということだった。
年配の方や私には、通学で親が送り迎えをするのは
違和感があるが、
そこにはそれなりの事情があるということだ。
最近報道や国会での教育の話題は
教師が君が代の斉唱で立つか立たないかとか
教科書の検定問題ばかりだが
子どもの日々の生活に直結する問題に
もっと目をむけていかないといけない。