東京六大学野球62年ぶりの完全試合で
最後の打者になったことは以前このブログで書いたが、
私にはもう一つ、思い出したくない最後の打者の経験がある。
それは高校3年夏の公式戦、
自分のチームのバッターになったことだ。
3対1で負けていた試合を
自分のタイムリーヒットで追いついき、
再び1点リードされて9回2アウト。
チームの大黒柱だった
3番エースが出塁して打席が回ってきた。
最後の打席は1塁ゴロだった。
相手の1塁手にあっさりとベースを踏まれ
全力疾走する間もなく試合は終わった。
高校野球の公式戦はトーナメントなので
負けたら終わり。
悔し涙は出なかったが、
チームメイトと野球ができなくなることが悲しくて
涙がとまらなかった。
毎年夏、甲子園をみていると
仲間への感謝を口にする高校生がとても多い。
地方大会の1回戦で負けようと、
甲子園で負けようと、
チームメイトへの思いは同じなのかなと思う。
高校野球に限ったことではないが
勝利という目的のために苦労を共有した者だから
流せる涙なのだろう。
大学野球、NHK記者、そして今と
我ながら報われない苦労が多い人生だと思うが、
高校野球で努力した経験があるからこそ
今の自分がある。
どんな辛いことでも乗り越えられると思う。
私の人生の原点は高校野球にある。
自分の原点を
毎年甲子園を見るたびに思い出すことができるのは幸せだ。
熱戦を繰り広げる高校生に感謝しながら
毎年甲子園を楽しませてもらっている。