こんばんは。
きのう長野県議会で始まった「信州型事業仕分け」を見てきた。
メディアの取材のほか、インターネット中継、
そして県民有志によるネット中継もあり関心の高さを伺わせた。
意気込んで朝9時の冒頭から会場で見ていたのだが、
傍聴なので質問ができないジレンマもあり、
結局昼過ぎに会場を離れた。
仕分け人は県民公募など、素人のほか
国や市町村で事業仕分けをリードしてきた
「構想日本」のメンバー、
それに自民党で事業仕分けに取り組んできた
河野太郎氏も来ていた。
質問の仕方、議論の進め方については、
構想日本のメンバーや河野太郎さんは百戦錬磨で、
資料をめくりながら回答するのが精いっぱいの
県庁職員が仕分け人を論破できるはずもない。
議論は仕分け人ペースで進んでいた。
しかし、仕分けをみていた人からは
「仕分け人が的外れな質問をしている」とか
「事業のことを理解しているのか」といった声が
ネット上で上がっていた。
配られた資料をみても、
事業を生で見たことがないので
私にはわからない点が多かったが、
仕分け人が俎上にあがった事業を
事前にどれだけ勉強していいたのかが気になった。
きょうの議論をみて国の事業仕分けを振り返ると
思い出される場面がいくつかある。
国の仕分けでは、仕分け人が、「これは?」と思った事業を
事前に視察する様子が報道されていた。
官僚もだまっていなかった。
自分たちの答弁では説得が難しいとみると
各分野の著名人などを議論に参加させて
事業の必要性を訴えていた。
きょうの議論をみて一番思ったのは県議会のことだった。
県議会が予算審議の過程で
厳しい意見を戦わせていれば仕分けをするまでもないとを思った。
会場には県議会議員、市町村議会議員の姿も多かったが
自治体議員の方々はきょうの仕分けをどうみたのだろうか。
国や多くの自治体をみると年度の当初予算は
原案通り可決することが「常識」となっている。
修正案が可決されようものならちょっとしたニュースになる。
国会では、わが党の渡辺よしみ代表が
ようやく言いだしたが、
修正することを肯定的にとらえることが政治の役割ではないか。
きょう、ネット上で議論した方が次のようなことを言っていた。
構想日本の加藤秀樹代表が
「仕分けとは予算審議でも政策議論でもなく、
使われた経費、行われた事業のチェック機能である。
さらに仕分けが国、県、市町村、議員などそれぞれの
立場の人の共通話題となることの相乗効果も期待したい」と
発言したという。
それにしても議会には決算の審議もあるので
決算の新語が次年度の予算審議に反映されてきたか否か
議員にはよく考えていただきたい。
国の仕分けでは一年前に改善を
求められた事業がなんの改善もなく次年度に盛り込まれ
仕分け人がヒートアップした場面がいくつもあった。
仕分けには法的拘束力がないが、
まずは言われたことを改善するべしということだと思う。
今後の県の姿勢が問われる。
阿部知事は信州型事業仕分けを最大の公約に
選挙で県民の支持を得た。
きょうの議論からは信州型がなんなのか
まださっぱり見えなかったが、
仕分けの議論を今後の行政に
目に見える形で示せなかったら
阿部知事の原点である
去年の知事選挙が問われることになる。