行動なくして
実現なし
001.想い

特定秘密)国会も重責を負う。

去年11月以来、7ヶ月ぶりに特定秘密保護法関連の質疑に立つ機会を得た。国会に、特定秘密の運用を監視する常設委員会をつくろうという自民公明提出の法案についての審議だった。監視委員会をつくることは賛成だが、実際に機能するかどうかが大きな課題だ。

きょうの質問では、外交密約があった時に、国会の監視委員会が機能するかどうかを問うた。戦後、「核持ち込み」「朝鮮半島有事の際の戦闘作戦行為」「沖縄返還時の原状回復補償費の肩代わり」などいくつもの密約が明らかになっている。詳細は民主党の岡田克也議員が外務大臣の時に調査した結果をみていただきたい。http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/mitsuyaku/taisho_bunsho.html
私は、外交交渉上やむを得ない秘密はあると思う。しかし、しかるべき時がきたら公表して欲しいし、特に密約が、報道や外国の公文書、元政府高官などの発言によって明らかになった時は国もこれを認め、説明と検証をするべきだと思っている。残念ながら、密約が公になったあとも「知らぬ存ぜず」の答弁を繰り返してきたのがこれまでの日本政府だった。
「特定秘密保護法が始まれば、行政の長が秘密指定の解除の時期などに責任をもって対応するから密約のような問題は無くなる」というようなことを過去に安倍総理は答弁しているが、密約が明らかになっても政府がこれを密約と認めなければ過去と同じことが起こる。特定秘密に指定する際の3つの要件の1つに「非公知性=公になっていないこと」があるが、報道などで明かされた密約と思われる情報を政府が「密約・特定秘密」と認めない限り、政府側は知らぬ存ぜずの態度を取るのである。報道などがあったら直ちに政府が秘密を認めるかといえば決してそうではない。
こういうときこそ、新設する国会の監視委員会の出番だろう。監視委員会は与党議員の割合も多く、政府側が特定秘密の提出を拒むこともできるので実効性がないとも言われているが、密約と思われる情報が公になって、政府がそれを認めるかどうか逡巡している時は必ず役割を果たして欲しい。こういう時は世論の後押しもあるだろう。こういう時に監視委員会が仕事をできなければ、国民は国会にシラけるだろうし、その後の選挙でしかるべき審判を受けることになるだろう。国会に監視機関をつくるということは、つくったからにはその職責を果たさなければ国会が責任を問われるということを強く申し上げておきたい。