以前、年配の方から政治家についてこんなことを言われた。
「政治家というのは選挙に勝つために
いろんな人と会わないといけないから大変だね。
いろんなことを言われても、
票をいただくために反論や無視もできないだろう。
でも、いろんなとこでいい顔ばかりしていると
自分がなんなのか分からなくなってしまうだろうね」
多くの人が「そりゃそうだろう」と頷くような言葉で
私も「そうですね」と苦笑いをするしかなかった。
しかし、人と人とのつながりを深める中で
付き合い方は十人十色、非常にデリケートなものだ。
自分の考えばかり言って
人の言うことを聞かないようではダメだ。
逆に、どんな人にもいい顔をしてもいけない。
賛同できることは賛同する。
賛同しかねることはそういう。
微妙な時はお話だけうかがっておくなど
嘘のない範囲でやるしかない。
「嘘も方便」という言葉があるように
時には自分を曲げざるをえないこともあるだろう。
そんなことをその人にどう話そうかと思案していたときに
一緒に話を聞いていた、私の尊敬する人がいった。
「妥協は必要なんだ。妥協だらけな時もある。
でも、自分の芯を絶やしちゃいけない。
そういう政治家はいざというときに燃え上がることができない。
妥協を重ねても、芯をちょっとだけでも残しておけば
いざというときに火がつくもんだ」
思わずため息が出そうになるほど納得の言葉だった。
私に話かけた年配の人も、何度も頷いていた。
ちなみに尊敬する人いわく
菅総理は芯が全くないらしい。
「あれがいい」とみんなが言えばあっちに、
「それがいいと」みんなが言えばそっちにいく人だという。
再び「なるほど」と思ったが、そんな人がリーダーではたまらない。